「会議中にどうしようもなく眠くなる」「ランチの後、頭がぼんやりして仕事に集中できない」――40代・50代のビジネスパーソンから、そんなお悩みをよく伺います。原因は寝不足や気合いの問題だと思われがちですが、実は食後の血糖値の変動と、体の中の”筋肉量”が関係している可能性があります。今回は、JSPO-AT(公認アスレティックトレーナー)の視点から、食後のだるさ・眠気と血糖値、そして筋肉との関係について整理します。
食後に眠くなるのは「血糖値スパイク」かもしれない
食事をとると血糖値は誰でも上がりますが、糖質の多い食事を空腹の状態で一気に食べると、血糖値が急上昇し、そのあと急降下する「血糖値スパイク」と呼ばれる変動が起こりやすくなると考えられています。この急降下のタイミングで、強い眠気やだるさ、集中力の低下を感じやすいと言われています。忙しいビジネスパーソンほど、ランチを短時間で済ませたり、麺類やパンだけで済ませたりする機会が多く、この変動が起きやすい食習慣になっている場合があります。
血糖値の変動が起こる仕組み
血糖値は、食事で摂った糖質が分解されてブドウ糖として血液中に入ることで上がります。体はこれを一定の範囲に保とうとして、インスリンというホルモンを分泌し、血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませて血糖値を下げようとします。急激に血糖値が上がると、それに応じてインスリンも多く分泌されやすくなり、結果として血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。この「下がりすぎ」の状態が、あの独特な眠気やだるさにつながっていると考えられています。加齢とともにこの調整機能はゆるやかに変化していきやすいため、40代以降は特に食習慣を見直す価値があるテーマです。
筋肉は「糖を取り込む倉庫」―筋肉量と血糖の関係
ここで見落とされがちなのが、筋肉の役割です。インスリンの働きで細胞に取り込まれたブドウ糖の多くは、筋肉に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられます。つまり筋肉は、血液中の糖を受け止める「倉庫」のような役割を担っていると考えられています。筋肉量が少ないと、この倉庫が小さい状態になり、同じ食事内容でも血糖値の変動が大きくなりやすい可能性があります。逆に、筋肉量を維持・向上させておくことは、日々の血糖の変動を穏やかにするための土台づくりにつながると考えられます。デスクワーク中心の生活では、筋肉を使う機会そのものが減りやすいため、意識的に運動の時間をつくることが大切です。

今日からできる3つの工夫
1つ目は「食べる順番」です。野菜や海藻、きのこ類などの食物繊維を含む食品から食べ始め、次にたんぱく質、最後に炭水化物という順番にすると、糖の吸収がゆるやかになりやすいとされています。2つ目は「食後に軽く動く」ことです。食後15〜30分以内に数分間歩くだけでも、筋肉がブドウ糖を使う機会が増え、血糖値の上がり方が穏やかになりやすいと考えられています。デスクワークの合間に一駅分歩く、階段を使うといった工夫も助けになります。3つ目は「筋肉量を保つ運動」です。日々のウォーキングに加えて、週に数回、筋力トレーニングで筋肉に負荷をかけておくことは、長期的に見て血糖の変動を穏やかにするための土台づくりになると考えられます。どれも特別な道具や時間を必要としない、忙しい方でも始めやすい工夫です。
Nexfit for Personalのアプローチ
横浜市都筑区センター南のNexfit for Personalでは、代表・佐藤龍雄(JSPO-AT公認アスレティックトレーナー)が、まずオールハンドの筋膜リリースで体のこわばりを整えたうえで、一人ひとりの生活習慣や体力に合わせた筋力トレーニングを組み立てています。「動きやすい体をつくり、そのうえで筋肉に効く負荷をかける」という順序を大切にすることで、無理なく続けられる運動習慣づくりをサポートしています。持病があり血糖値の管理で医療機関にかかっている方は、運動内容について事前にかかりつけの医師にご相談ください。当店は医療機関ではありません。
まとめ
食後の強い眠気やだるさは、単なる気合いや寝不足の問題ではなく、血糖値の変動と筋肉量という2つの視点から見直すことができます。食べる順番を整え、食後に軽く動き、筋肉量を保つ運動を積み重ねる。この積み重ねが、午後の仕事の質を守り、人生の後半戦を自由に、しなやかに動き続けるための土台になります。
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参考文献(抜粋)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「血糖値」
- DeFronzo RA, Tripathy D. Skeletal muscle insulin resistance and glucose disposal. Diabetes Care, 2009.
※本記事は一般的な健康情報であり、特定の効果を保証するものではありません。効果には個人差があります。
